解離性同一性障害の彼女と僕
 
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怖い人格、破壊的人格、攻撃的な人格への対応 専門医のお話


解離性同一性障害というのは、記憶や感情、自我(私という意識)
がばらばらになってしまう障害です。
人格が分かれると一緒に、記憶や感情もばらばらになってしまいます。


その別れ具合というのも人格ごとに、偏りがあるものです。
ある人格は、幸せな記憶も多くもち、
ある人格は、辛い記憶ばかりを引き受けていたりします。


彼女も記憶や感情の偏りが顕著で、
たとえば基本人格のこは、僕の目から見て、
怒りや憎しみの感情がとぼしい、
というか欠落しているようにもみえました。


一方で、膨大な辛い過去の記憶ばかりを受け持つ人格がいます。
楽しい記憶はもちあわせていません。


まれに表に出てくることがあっても、
怒りと憎しみの感情に支配されて、攻撃的になってしまったりして、
何かを楽しむ余裕など、とうていありません。
そのダークな感情との葛藤に費やすエネルギーはたいへんなものだと思います。



ある日の診察での主治医の話です。
ずっと前のことですが、録音してあったので、だいたい話のとおりです。


主治医
「他の人格も辛い気持ちを受け持つ人格に対して感謝すべき。
感謝の気持ちを伝えて抱きしめてあげる必要がある。


彼女(彼女のなかの辛い過去ばかりを背負っている人格のコのこと)
は孤独だから、コンクリートの壁の中にいるから、なかなか心を開けないけど。
人格みんなで出かけていって、ちゃんと感謝の気持ちを伝える。


そうしないと、心は開かない。一人、数人だけが辛い気持ちを抱えてる。
それをみんなで共有することによって、
ある人格だけが不当に差別されているのを救わないといけない。


だからそういう意味では、君たちは自己犠牲的で、天使的存在なんだ。
天使的存在で、自己犠牲的で、本当はいいやつ。


それなのに周囲には悪者にされてしまうんだから、
辛いよね。その気持ちをぜひみんな(人格たち)、分かってあげてください。


そういった気持ちを汲んであげることのほうが、
改善が早いと思う、それは薬よりずっと大事なことです」


攻撃的な人格のコほど、救ってあげなくちゃいけないというお話でした。
パートーナーの方の接し方以外にも、
そのコのおかげで、それほど辛い記憶を抱えていない、他の人格達も、
そのコに、せめて、「ありがとう」という気持ちを伝えましょう。


どうやって、そのコがいるところに行けるか分からないかもしれませんが、
できることなら、苦しんでいる彼女のところに行って、
いつもありがとうと言って、抱きしめてあげましょう。

怖い人格、危ない人格と、差別 してしまうようなことは、一番よくないですね。


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